『不完全終活マニュアル』 その12
『親の介護に携わった量でもめる兄弟家族』
兄弟間の各々の事情で親の介護に携わった量は当然違ってくる。違ってくるのはしょうがないが、それが後々の相続等でもめる原因になる。
ちょっと乱暴だが、兄弟をシンプルに介護した側とそうでない側に分けると、
介護した側は「介護量」「介護した期間」の差に不満が出やすい。
介護士なかった側は「親の財産」の管理に不満が出やすい。
などといった傾向がみられる。
介護してない側は、介護がどのくらい大変かがわからない。安易に「デイサービスや施設に預けていればその時は楽出来るだろう」と軽く考えたり、そもそも親は久しぶりに会った家族の前では「格好つける」傾向にあるので、実際の日々の状態が見えにくい。
…などといったことが起こる。
兄弟同士お互いに知らない、分からないことがある。それを前提に情報を調整したいと思っても、介護していない方は日々に介護が入り込む量が少ないし、そもそも親からみてもお客さんに近くなる。だから「受け入れない」「理解できない」となる。そうして兄弟家族がもめることになる。
揉めないようにするには
「事前に」
「オープンに」
「平等に」
といったことを気にするしかない。
生前や死後に親の持ち物を整理することを例に考える。自分にとって興味のない、処分してもいいもの〇〇があったとする。当然親が生きていればまずは親の許可を取るだろう。だが、それだけでは足りないのだ。
兄弟家族に「親の許可は得たけど〇〇は処分してもいいか?」と『事前』に許可を得るくらいの慎重さが必要になる。死後なら尚更だ。
遺品整理の際など、
・整理する日時
・整理した品物
・整理、処分方法
等は兄弟家族で共有すべきである。
あるいは「処分も含めて全て任せる」という言質はとっておくべきだろう。世知辛いものである。
体は年を取る。血液も同じ。では血縁は変わらないかというとどうも違うようだ。
血縁は繋ぎとめていた家族の死によって薄くなる。
終活で言えば、そこから繋ぎとめる家族に自分がなるか、薄くなる前提で準備する。そのどちらかが必要になる。
今日はここまで。文責 江口

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